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ソニーサーモテクノロジー
株式会社

REON POCKETを活用した取り組み

REON POCKETが生まれた起源

2017年7月、開発者が出張で中国・上海に行った際に、暑さに驚愕。当時現地の気温は38℃でした。
外は猛暑な一方で、ホテルは空調が効きすぎており、体調を崩す懸念とともに、地球温暖化への不安も感じ、未来のためにテクノロジーを使って課題を解決できないかと考え始めました。

日本に戻り、現在のREON POCKETのベースとなるウェアラブルの小型温冷機器のプロトタイプを作成し、温暖化が進む中屋外での冷感の付与と共に、屋内でREON POCKETを活用することで空調に対する依存を少しでも減らし、省エネに貢献したいというビジョンのもと、プロジェクトを開始しました。

一般的に、パソコンやカメラなどのモバイルエレクトロニクス機器は小型で熱が籠りやすく、その発生する熱が映像や処理能力などの性能に大きく影響するため、熱をいかに逃がすか、特定の部分が熱くならないよう拡散させるかが商品を設計する上での重要な要素となります。

「熱設計をエレクトロニクスから人へ」。そんなことを思いながら、これまで培った熱設計のノウハウを生かし、数百に及ぶシミュレーションを繰り返しながら、冷温の制御やアプリのソフトウェアを開発し始めました。
2019年7月にクラウドファンディングを実施、2020年7月に一般販売を行い、さらなるシミュレーションやパートナーとの連携を深め、2021年4月にREON POCKET 2を発売しました。

年々暑さが厳しくなる中、現在REON POCKETは、通勤や散歩、軽度のスポーツなど主に屋外で使われています。

一方、テレワークが進みよりパーソナライズされた働き方が進む昨今、オフィスに加え家庭の空調に対する負荷も大きくなっています。

我々は個人で温度の調整をするREON POCKETを通じて、オフィスや家庭空調への負担をできるだけ減らし、省エネにも貢献していきます。

ソニーの「REON POCKET」と「パーリーゲイツ」が考える"今、出来ること"

大量のエネルギー消費で進む地球温暖化。今回の取り組みでは、ゴルフアパレルブランドPEARLY GATES(以下パーリーゲイツ)とREON POCKETが、"今、できること"を一緒に考え、対応ゴルフウェアの開発、そして消費電力削減を掲げた空調温度を2℃上げてみようプロジェクトを実施しました。

詳しくはこちら

この取り組みについて、パーリーゲイツ ディレクター兼チーフデザイナー 酒井 昭征さん、伊藤忠商事株式会社(以下伊藤忠)ファッションアパレル部門 東浦 壮一朗さん、ソニーグループ株式会社(以下ソニー)Startup Acceleration部門 Business Acceleration部 REON事業室 統括課長 伊藤 健二に、協業の経緯や各々の狙いをインタビューしました。

MEMBER

  • パーリーゲイツ
    ディレクター兼
    チーフデザイナー
    酒井 昭征さん

  • 伊藤忠商事株式会社
    ファッションアパレル部門
    東浦 壮一朗さん

  • ソニーグループ株式会社
    Startup Acceleration部門
    Business Acceleration部
    REON事業室 統括課長
    伊藤 健二

この取り組みは、パーリーゲイツ・REON POCKET双方の環境配慮への強い想いが背景にあると伺いました。

伊藤:はい。REON POCKETは、「環境課題をテクノロジーで解決する」ことをコンセプトに掲げています。今回、パーリーゲイツの酒井さんが我々のコンセプトに共感してくださったことがきっかけで協業が実現しました。

酒井:暑い夏に、広い室内空間をわざわざ冷やす必要はなく、自分自身がREON POCKETを身に着ければ涼しさを体感できる。これって当たり前のことのようでなかなか思いつかなかった発想ですよね。そして、REON POCKET対応のゴルフウェアをパーリーゲイツが作るということで、暑い夏だけでなく寒い冬もゴルフプレーを快適に過ごせるものでなくてはならないということにかなり重点をおき、シーズン問わず年間で選ばれ続けている定番のベストセラーモデルを採用しました。

伊藤:REON POCKETを身に着けることで個人の好みの冷感・温感を首元に付与できます。その分、空調の温度を2~3℃上げられ、結果的に通常の約20%もの電力を削減できるのではと考えました。

パーリーゲイツでも環境への取り組みは行っていますか?

酒井:パーリーゲイツは、「Think Golf」というスローガンのもと、ゴルフアパレルブランドとして“ゴルフ”の未来に向けた取り組みを実施しています。ブランドのイメージを守りつつ、焦らずにまずは自分たちが出来るところから取り組むべく、環境配慮型の紙ショッパーや包装袋・備品の切り替え等を中心におこない、今回のREON POCKET対応のゴルフウェアを企画することや空調温度を2℃上げてみようプロジェクトも、この取り組みの一つです。

環境のために、背伸びせず始められる第一歩。

ゴルフアパレルブランドパーリーゲイツとテクノロジーのREON POCKET。一見異質な組み合わせですが出会いのきっかけは?

酒井:以前から仕事で繋がりのあった伊藤忠の東浦さんに伊藤さんを紹介して頂いたことから始まりました。もともと、私自身がソニーという企業に対して興味があったことがきっかけではあるのですが、今回の取り組みが実現した本当の背景は、伊藤さんの考える環境問題に対しての取り組み方や、本質そのものはもちろんなのですが、何より伊藤さんの言葉に強く共感したのがきっかけです。
REON POCKETの初代モデルが発売された後、2020年9月頃に初めてお会いして、実際に見せてもらいました。

東浦:2020年夏よりソニーの伊藤さんと、伊藤忠のネットワークを活用した、アパレル及び周辺領域における協業の可能性についてお話をしておりました。一方、酒井さんとは、日々商談の中でパーリーゲイツとして新たに取り組めるものはないか、様々な角度から日々ジャンルを問わず会話をしておりました。その中でソニーの名前があがり、今回REON POCKETとパーリーゲイツをお繋ぎするに至りました。

酒井さん・東浦さんがREON POCKETに共感したポイントは?

酒井:REON POCKETの「環境課題をテクノロジーでの解決を目指す」というコンセプトと、製品誕生のきっかけとなった伊藤さんの上海出張でのリアルすぎる体験談を伺って、そういう背景があったことに衝撃を受けたんです。出張先のたった一人で過ごすホテルの広い部屋が極端に冷えていたというこれまで自分自身もそういう経験をしてきたからこそ強く共感し、それに疑問を持った伊藤さんの想いに感銘を受け、共感しました。
パーリーゲイツのお客様がこのデバイスを知り、日本のゴルファー一人一人がこのデバイスを身に着け、森や緑の中でやるスポーツだからこそ、プレーを楽しみながら自然環境について考えられたら最高じゃないですか?

では逆に、伊藤さんがパーリーゲイツに共感したポイントは?

伊藤:まず酒井さんは社会課題意識がとても高く、身近な環境課題を解決したいという点で深く共感できたから。そして、酒井さんのディレクターとしての考え方やコンセプトメイキングの力を純粋にリスペクトしたからです。
アパレルブランドであるパーリーゲイツとデバイスであるREON POCKETが協業することで、互いの強みを生かし足りない部分を補完し合えると考えるようになりました。

この取り組みが共感を生むことを願って。

今後も協業して解決していきたい社会課題は?

伊藤:社会課題にはこれまで通りトライしていきたいです。REON POCKETのデバイスとしての進化ももちろんですし、今回のように、高い社会課題の意識を持っていらっしゃる方々と協業して、さらなるREON POCKETの可能性にチャレンジしていきたいです。

東浦:パーリーゲイツとREON POCKETの協業が、パーリーゲイツのファンの方々にREON POCKETを知ってもらうきっかけとなり、一方でREON POCKETやソニーファンの方々にパーリーゲイツを知ってもらうきっかけになればと思っています。まずは沢山の方に着用して涼しさを体感していただきたいですし、この取り組みが盛り上がり、多くの方に共感してもらうことで、環境問題や社会課題の解決にも寄与することを願っています。

酒井:まずはパーリーゲイツとREON POCKETが協業して、環境課題に取り組むこの活動を持続させていきたいです。以前は社会課題や環境配慮活動というと「何からすればいいか分からない」と構えてしまったり、取り組まなければと追い詰められてしまったりすることもあったのですが、自分たちがその時できることをあたりまえにやっていきたいですね。1回限りでは なく変化しながら継続して取り組んでいきたいと思っています。
何よりこの取り組みの中で、それぞれの思っている事やアイデアをぶつけ合い、本気で言い合えたからこそ、実は深い意味が込められたものとなります。
この記事を読んでくださった方が少しでも我々の想いに共感し、何かのきっかけになれたら本当にこの取り組みの意味があると思います。

REON POCKET 2を活用した省エネへの取り組み
~空調温度を2℃上げてみようプロジェクト~

パーリーゲイツを展開する株式会社TSIでは、テレワークにより出社率が減少している状況下においても、オフィスの空調には変化がないことに課題を感じ、社員がREON POCKET 2を装着して業務を行うことで、オフィスでの使用電力を減らす取り組みが6月中旬に実施されました。

平均的なオフィスの電力需要は、空調が48%※1を占めています。また一般に、冷暖房温度を1℃緩和することにより、熱源で消費されるエネルギーは約10%削減できると言われています。※2

オフィスの空調9台分の設定温度を通常時の25℃から27℃に上げ、REON POCKET 2を社員50人に装着して冷感を付与し、業務への影響を調査しました。 空調9台の温度を2℃上げることで、熱源の消費電力を約20%削減できると試算しています。

実際の業務の様子

株式会社TSIにおける取り組みでは、REON POCKET 2を装着して実際に業務を行った方の44%が、業務への影響に対し「普段と変わらなかった」と回答し、更に32%が、「普段より少しはかどった」と回答しています。また、「体感としては非常に涼しく、アプリでの使用方法も扱いやすかった(40代男性)」、「仕事をしながら新しい形で環境問題へ取り組みできているという事に、満足感を得られた(30代女性)」などの感想が多く寄せられました。

業務した方の声

セクション長 岡田浩治

空調が効いた空間が最高なのは当たり前ですが、いかに空調を抑制しながら快適に過ごせるか追及したという目線で、秀逸な商品だと感じました。本プロジェクトにふれる事で、環境に対する意識が間違いなく向上出来ました。

秘書 菊池史織

空調は周りの方に合わすもの。会社はキンキンに冷たければ冷たい程皆さんが喜ぶ、という認識でしたが、個人で調整できるのは画期的だと思いました。自分が出来る取り組みは何だろうと、考える契機にもなりました。

空調温度を2℃上げてREON POCKETを使った際の勤務への影響度アンケート|普段より非常にはかどった…0%|普段より少しはかどった…32%|普段と変わらなかった…44%|普段より少しはかどらなかった…8%|普段より非常にはかどらなかった…0%|無回答…16%|(調査対象 50人)

REON POCKETを活用して、エネルギー消費削減に貢献してみたいパートナー様を募集しています。

宛先:法人窓口